2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

人生

人生は遊ぶためにあり、仕事も道楽のひとつである。 『本は10冊同時に読め!』(成毛眞 知的生きかた文庫)p.45

待ち時間に読む本

僕は、歯医者や銀行の待合室では、カバンに入っている本や雑誌は読みません。そこに置いてある、ふだんなら絶対読まないような「一週間やりくりレシピ」と書かれた主婦向け雑誌や子供向けの本などをぱらぱら読みます。 ビジネスマンなら、『女性セブン』や『…

映画に連れていってくれない理由

私たちを絶対に映画に連れていってくれない理由−−「どうせ一年か二年すればテレビでやるじゃないか、わざわざ出かけていって大枚はたくことはあるまい?」 『孤独の発明』(ポール・オースター 柴田元幸訳 新潮文庫)p.93

思想に似た登場人物

ドラマの登場人物は、わたしたちに共感を呼びおこす。登場人物は、知人に似ている。また、しばしば、わたしたちが好きな人間や、嫌いな人間にも似ている。『ファウスト』第二部の登場人物は、まったく共感を呼びおこさない。その登場人物たちと知り合いだ、…

言いたくないこと

妙に馴れ馴れしい口調で、彼は私にこう言った。「言いたかないけどさ」−−つまり言いたいということだ−−「あんたの親父さんはほんとに嫌な奴だったね」 『孤独の発明』(ポール・オースター 柴田元幸訳 新潮文庫)p.22

40代・50代の読書

さて、40代・50代のベテラン社員で働きアリという人はどのような本を読めばいいのか。 そんなものはない。もう手遅れなので、何を読んでもムダである。 『本は10冊同時に読め!』(成毛眞 知的生きかた文庫)p.156

石田衣良の日記

大学を一年留年して卒業しても、就職もせずにフリーターの暮らしは続いた。その時期にぼくは心理学の自己分析の方法にならって、詳細な日記をつけ始めた。書き始めた当初は、自分から距離をとりたくて、自分のことを「彼」としか書けなかった。彼は散歩をし…

ゴール・オリエンテッド

私は、アメリカ人が「ゴール・オリエンテッド」と呼ぶタイプの人間だ。十年以内にフリーランサーになろう、とか、三年以内に留学しよう、とか、半年以内に引っ越そう、とか、常に目標を定めて生きてきた。月ごと、週ごとの目標を持ち、弾力的にではあるけれ…

小さなサークル

わたしの本は、小さなサークルの人びとのためにだけ書かれたものである(もっとも、サークルと呼べれば、の話だけれども)。そうわたしがいったからといって、わたしは、そのサークルを人類のエリートだなどと、みなしているわけではない。ただわたしがいい…

引越

それと、患者本人と周囲のユーモア感覚は、闘病には不可欠だ。私が緊急入院して、病院から友人のケンに電話を入れたときの会話。 「おはようございます。スローン・ケッタリング記念病院の六三五号室から、朝の挨拶です」 「あれ? アパートが気に入らなくて…

失われた六策

ちなみに、ホームズは、ものを聞き出すテクニックをたくさん持っていたようだ。「スリー・コータの失踪」事件では、電報局にある電報控えの内容をまんまと聞き出すのだが、そのあとで、「七通りの方法を考えたが、第一策でいきなり成功した」と述べている。…

聞き出すコツ

シャーロック・ホームズは、「知りたいことを聞き出すこつは、こちらのいうことに異議を唱えさせることだ」といっている。つまり、「真実を教えたい」という人間の本能を刺激するのである。「四人の署名」事件で、目的の船の外観を聞くのに、彼は、船の持ち…

本棚を見ればその人がわかる

ただし、本を読んでいるだけではダメだ。フランスの美食家ブリア・サヴァランは「どんなものを食べているかいってみたまえ。君がどんな人かいいあててみよう」といったが、これは本も同じで、本棚を見ればその人のほとんどがわかるのである。 『本は10冊同時…

3色ボールペン読書法について

ましてや、本を読むときに3色ボールペンを使うなど言語道断だ。 「えーと、ここは面白いから緑を使って、ここは重要だから赤かな」 こんなことを考えながら本を読むのは、もはや読書とはいえない。受験勉強で暗記をするために参考書に線を引くのと同じである…

丼ウォーターと千葉水郷

五木寛之が、昔飛行機で出会った大先生の思い出を語っている。年の頃は六十五歳前後、大学の偉い先生らしい。空港で買ったコニャックを飲んではさらに豪快になる先生に、五木寛之は突然「ロシア語を教えてくれ」といわれる。挨拶を二つほど教えたところで、…

場所の描写

永井荷風は『墨東奇譚』のなかでこんなことをいっています。 「小説をつくる時、わたくしの最も興を催すのは、作中人物の生活及び事件が開展する場所の選択と、その描写とである。」 デビュー作の『池袋ウエストゲートパーク』を書いていたときは、この言葉…

ペンで考える

じっさいわたしは、ペンで考える。なにしろ、手がなにを書いているのか、頭が知らないことが、しばしばなのだ。 『反哲学的断章』(ヴィトゲンシュタイン 青土社)p.50 文章を書きながら頭の中にもやもやした形であるものをまとめるとか、書いているうちに思…

読む価値のない文献の見分け方

読む必要のない文献は、始めの数行を読めば、簡単に見分けられる。たとえば、「私はこの問題の専門家ではないが、編集部からのたっての要請であるから、浅学菲才を顧みず筆をとった」という類の文章が冒頭にあれば、確実に読む価値がない。これは、読み手に…