失われた六策

 ちなみに、ホームズは、ものを聞き出すテクニックをたくさん持っていたようだ。「スリー・コータの失踪」事件では、電報局にある電報控えの内容をまんまと聞き出すのだが、そのあとで、「七通りの方法を考えたが、第一策でいきなり成功した」と述べている。このことばを聞いたにもかかわらず、残る六方法をホームズから聞き出せなかったのは、伝記作家としてのコナン・ドイルの能力の限界を示すものといわなければなるまい。

『続「超」整理法・時間編』(野口悠紀雄 中公新書)p.200

 コナン・ドイルでなくて、ジョン・ワトソンの限界だよね。