蜂は好きかい

「蜂は好きかい?」
「好きかどうか考えたことない」
「考えた方がいい。アインシュタインは蜂がいなくなったら人類は4年で絶滅すると言った」
「酸素がなくなったら人類は4分で絶滅してしまう。でも空気は好きにはならない」
「そうだな。ははは」

「ブリッジ セカンドシーズン」(スウェーデンデンマーク合作TVドラマ)第1話 サーガとマーティンの会話

仕事をしたい人とすればいい

 そんなある日のこと。前任者から引き継いだ執筆者に理不尽な怒られ方をして肩を落としていると、中原さんがいった。
「あなたが編集者なのだから、あなたが仕事をしたい人とすればいいのよ」
 え、そうなのか、とびっくりした。雑誌はあくまでも編集者のもの。不愉快な相手と無理に仕事をすることはない。誇りを持って臨みなさい、ということだ。実際には無理を承知でやらなければならないときは多々あるが、あの日の私には必要な一言だった。書く側に立ったいまとなっては恐ろしい。書き手はほかにいくらでもいるということだから。

『仕事の手帳』(最相葉月 日本経済新聞出版社 p.17)

女に向いている職業

P・D・ジェイムズ山口雅也がインタビューした話。

私はジェイムズ宅を訪れ、インタビューを試みたことがあるが、「イギリスはなぜ優れた女性ミステリ作家を多く輩出するのか?」という質問に対し、元々ジェーン・オースティンなどの女性作家の伝統があるということを生真面目に語ったあと、悪戯っぽく笑いながら「女性は家の中などの片付けを好む性質の人が多いから、最後に何かをきちんと片付けなければならないミステリには向いているんじゃない?」と付け加えたのを覚えている。

山口雅也本格ミステリ・アンソロジー』(山口雅也編 角川文庫 p.99)

テレビゲーム

「テレビゲームというのも面白そうですね」
「なさるのですか」
「いや、したことはありませんが、あれでいろいろ工夫がいるらしいですね」
「一人で遊んで面白いんですかね」
「うん。遊びは一人遊びが基本でしょうが、あれは一人遊びじゃないのでしょう」
「そうなんですか」
「ええ、今、日本全国でだいたい同じ時間に子供たちはあれをやるそうです。その様子を少し俯瞰すると、日本中の家々の屋根をはぐれば何十万人という数の子供が同じゲームをしているようです。あれはみなと遊んでるんですよ」

『いねむり先生』(伊集院静 集英社)p.117

有益な情報を抽出するプロセス

 有益な情報を抽出するためのプロセスは、コーヒー豆からコーヒーを作るのに似ている。まず、コーヒー豆を粉状にする作業(第一のプロセス)。次に、フィルターをかけ、お湯を注ぐ作業(第二のプロセス)。まったく異なる二つのプロセスを通す事によって、抽出されるものが有益な情報になるのではないかと考えている。
 どんな高級な豆でも、挽き方によって味は違ってしまうし、入れるお湯の温度によって異なる風味になる。その切り口が個性となって表れるのではないかと考えている。

『大局観』(羽生善治 角川oneテーマ21)p.119