『読書嫌いのための図書室案内』青谷真未

読書嫌いのための図書室案内 』を読む。

 高校を舞台にした日常ミステリ。内容はタイトルそのままに、読書嫌いの主人公がひょんなことから「図書新聞」の復刊をすることになるという話。その図書新聞の原稿を集める間に遭遇するちょっとした不可解な出来事の謎を解いていくことになる。タイトルそのままというのは、嫌々ながら始めた図書新聞作りによって、主人公が読書に少しずつ興味を持ち始めるから。

 主人公荒坂浩二と「相棒」になるのは主人公と反対に大の本好きで、普段は目立たないが本の話をしているときだけは生き生きとする藤生蛍。この二人のどちらが探偵役かというと、読書好きと読書嫌いがお互いを補完し合って、ホームズとワトソンを入れ替わりながら謎を解いていく感じ。本に関しては藤生蛍が活躍するし、それ以外の部分では荒坂浩二が謎を解く。

 ちょっと屈折してるけどさわやかな青春ミステリ。そして出てくる小説など読みたくなる読者への「図書室案内」にもなってる。