2009-01-01から1年間の記事一覧

人種

だが世の中には、被尋問者の言葉一つひとつの裏づけを取らなくては気がすまない人種もいれば、家に帰るとき、歩道の敷石の隙間を踏まないように歩かなくては気がすまない人種だっている。 『スリーピング・ドール』(ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋)p.3…

[日記] 傘の自動販売機

某駅前で傘の自動販売機を発見した。こんなものまで自動販売機で売ってるのか。

人生

それでも、自尊心を満足させることもできず、みじめさの中に生きているだけでも生きているといえるのかどうか。自分のしたことにはなんらかの目的があったとさえ思えない人生が、人生といえるのかどうか。 『チャイルド44 下』(トム・ロブ・スミス 新潮文庫…

動物と人間

病院のER(緊急救命室)の同僚が言うには、動物の意識には過去も未来もなく、あるのはただ現在だけだという。そして人間も熱い風呂に漬かりながらマティーニを五杯飲めば、それに近い状態になれるんだそうだ。つまりは土曜の夜の状態ってことだ。それ以外の…

世界は有限

世界は有限で思っているほど広くはない。誰でも六つのコネクション・リンクをたどれば、米国大統領にさえたどりつけるという話を聞いたことがある 『イノセント・ゲリラの祝祭』(海堂尊 宝島社)p.234新装版 イノセント・ゲリラの祝祭【電子特典付き】 (宝…

バカとアホ

無能には二通りある。害悪になる無能と、役に立つ無能さ。前者がバカで後者がアホ。 『イノセント・ゲリラの祝祭』(海堂尊 宝島社)p.224新装版 イノセント・ゲリラの祝祭【電子特典付き】 (宝島社文庫)作者:海堂尊発売日: 2019/05/31メディア: Kindle版

難問の解明

これが何を意味しているのか、あるいは何を意味する可能性があるのか、さっぱりわからない。しかし、これに何らかの意味があることは確かだ。そういう状況に陥ったときには、昔の成功、それも同様の難問を解明したときのことを振り返って、頭を再活性化する…

愛情

愛してもいない相手にもらった愛情は心の表面に留まり、そこからすぐに蒸発してしまうものなのだ。 『素数たちの孤独』(パオロ・ジョルダーノ 早川書房)p.310素数たちの孤独 (ハヤカワepi文庫)作者:パオロ ジョルダーノ発売日: 2013/06/06メディア: 文庫

[日記] 中国土産のコロン

世界のすべて

自分の観察以外に頼れるものなんてないはずだ。自分が受け止めたもの、それが世界のすべて、現実のすべてじゃないか。 『トーマの心臓』(森博嗣 メディアファクトリー)p.243トーマの心臓 Lost heart for Thoma (MF文庫ダ・ヴィンチ)作者:森 博嗣発売日: 20…

天使

「待って。もうひとつだけ訊かせて」 君はまるでコロンボみたいだと少女は言って、どこかへ翻しかけた動作を中断させる。ターンの先でもあのオンボロ刑事の伝説が生き残っていることを僕は知る。まあもとは天使だったというのだから、そういうこともあるのか…

朝というのは、あらゆる感情をことごとく幻滅させてしまう、どんな思考もすべて打ち砕いてしまう、暴君の時間なのだ。 『トーマの心臓』(森博嗣 メディアファクトリー)p.8トーマの心臓 Lost heart for Thoma (MF文庫ダ・ヴィンチ)作者:森 博嗣発売日: 2014…

悪口

「ネットで、おまえの悪口を時々、見るけど」 「悪口はネットで言うのがマナーなんだって」 『モダンタイムス』(伊坂幸太郎 講談社)p.146モダンタイムス(下) (講談社文庫)作者:伊坂 幸太郎発売日: 2011/10/14メディア: 文庫モダンタイムス(上) (講談社文…

勇気

「『地獄の警備員』って知ってます?」工藤がぼそっと言う。「やっぱり、二十世紀の映画らしいんですけどね、五反田さん、それをやけに気にいっていたんですよ。元力士の警備員が人を殺し回る話みたいですけど。その怖い警備員が言うらしくて」 「『おまえを…

画期的

「俺の家の近くの回転寿司は、わさびも回転させるっていうんで、画期的、って謳ってたぞ。画期的というのは、言ったもんがちだ」 『モダンタイムス』(伊坂幸太郎 講談社)p.22モダンタイムス(下) (講談社文庫)作者:伊坂幸太郎発売日: 2012/09/28メディア:…

[日記] サンシャイン・クリーニング

『サンシャイン・クリーニング』を観てきた。こちらは日本版。 サンシャイン・クリーニング [DVD]発売日: 2010/03/03メディア: DVD

細部

細部はよろしい。神は全体構成に宿る。 『Boy's Surface』(円城塔 早川書房)p.46Boy’s Surface作者:円城 塔発売日: 2013/11/15メディア: Kindle版

『中島敦展』

神奈川近代文学館の『中島敦展』に行ってきた。うっかりしてたら今日が最終日だった。思ったより混んでるように思って、中島敦を好きな人って多いんだなぁと思ったけど、最終日だから当たり前だったのかも。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』をMOVIXさいたまで観る。 一年に一本だと前回どこまで話が進んでどうなって終わったのか判らなくなる。基本的には一話完結だけど段々シリーズ全体の話が中心になってきているので過去の話を知らないと判らなくなってきた…

萩の調

お土産に貰いました。チョコレートクリーム味でした。

Sony Aquarium 2009

ショコラネスパ

生命より大切なもの

生も亦我が欲する所なり、義も亦我が欲する所なり。二つの者兼ぬること得べからざれば、生を舎てて義を取らん。 『孟子』下(岩波文庫) p.249

すばらしい冗談

新一は、ブラウン神父シリーズで知られるイギリスの推理作家チェスタートンの「すばらしい冗談は、批評の不可能な、一つの究極の神聖なものである」という言葉が大のお気に入りだった。 『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相葉月 新潮社)p.288

使用人

「素敵ね、あの五十鈴さんという子。さしずめ、あなたのマーヴィン・バンターといったところかしら」 笑顔を返したけれど、わたしはそれは違うと思っていた。セイヤーズは読んでいたけれど、五十鈴はバンターよりも、もっと……。 「玉野五十鈴の誉れ」(『儚…

何かがやってくる予感がする。それは恋ではない。恋ならもうしている。そう、恋はしていた。あの頃、恋をするという絶望的な欲求があったからだ。恋をしたいと感じたら、行く場所に注意しないといけない。その秘薬を飲んだが最後、最初に出会った生き物に恋…

必然性

「チェーホフがこう言っている」とタマルもゆっくり立ち上りながら言った。「物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない、と」「どういう意味?」 タマルは青豆の正面に向き合うように立って言った。彼の方がほんの数センチだけ背が高かっ…

チェーホフにとって

チェーホフにとって、すべての人々は同じようなものである。彼はその人々を示すだけで、何がよくて何が悪いかは読者の判断にゆだねた。チェーホフ自身は不偏不党の立場をとっているかのようだ。 『ショスタコーヴィチの証言』(ソロモン・ヴォルコフ編 水野…

救い

「一人でもいいから、心から誰かを愛することができれば、人生には救いがある。たとえその人と一緒になることができなくても」 『1Q84』BOOK1(村上春樹 新潮社)p.342

歴史

歴史が人に示してくれる最も重要な命題は「当時、先のことは誰にもわかりませんでした」ということかもしれない。 『1Q84』BOOK1(村上春樹 新潮社)p.12