チェーホフにとって

 チェーホフにとって、すべての人々は同じようなものである。彼はその人々を示すだけで、何がよくて何が悪いかは読者の判断にゆだねた。チェーホフ自身は不偏不党の立場をとっているかのようだ。

ショスタコーヴィチの証言』(ソロモン・ヴォルコフ編 水野忠夫訳 中央公論社)p.324