人格タイプ

 尋問者の第一の仕事の一つは、相手の人格タイプ−−内向的か外向的か−−を見きわめることだ。内向的、外向的と言っても、通常使われている意味とは微妙に違う。内気か陽気かという話ではない。この場合の区別は、物事の判断のしかたにある。内向タイプは、論理や理屈ではなく、直感や感情を基準に判断を下す。外向タイプはその逆だ。相手の人格のタイプがわかれば、質問をどう組み立てたらよいか、どんな口調で、どんな姿勢でそれらの質問をしたらもっとも効果的かといったこともわかる。たとえば、荒っぽくそっけない態度を取ると、内向タイプは殻に閉じこもってしまう。

『ウォッチメイカー』(ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋)p.79〜80