二種類の句読点

 川路重之氏の訪問記の中にも、中勘助の言葉として、「ずっと若い頃に、読んでほしい速度のちがいによって二種類の句読点、黒い点と白い点を考えて、使いわけていたことがあります。中の黒胡麻胡麻といって、非常に評判が悪かったのでやめてしまった」と記されている。

(「読者が演奏者となる時」串田孫一 『ちくま日本文学全集 中勘助』解説より)