『罪人の選択』貴志祐介

罪人の選択』を読む。

4編収められた作品集。てっきりミステリだと思って読み始めたら最初の「夜の記憶」はSF。未来を舞台にしたというだけではない本格指向。次の「呪文」もやはり本格指向に加えてホラー風味のSF。3つめの表題作のみミステリ。戦時中から現在の3つの時代で2つの事件を描く凝った趣向。最後の「赤い雨」は約三分の一を占める中編SF。個人的には一番好み。チミドロという新種の生物のはびこる未来は、思わず新型コロナを思い浮かべる。貴志祐介のSFは珍しいと思ったけど、『新世界より』とかSF作品もあったっけ。

 

 

罪人の選択 (文春e-book)

罪人の選択 (文春e-book)