日常生活に支障をきたす読書

 じつは、私の趣味は読書でも、小説はほとんど読まない人間である。
 とくに純文学は文章に力がありすぎて、読むとしばらく何も考えられないほどの衝撃を受けてしまうからだ。
 村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社)を読んだときは1時間ほど立ち上がれなかったし、『海辺のカフカ』(新潮社)を読んだときは1週間会社に出られなかったほどショックを受けた。言葉の力に圧倒されてしまうのである。日常生活に支障をきたすので、あえて読まないようにしている。

『本は10冊同時に読め!』(成毛眞 知的生きかた文庫)p.170

 1週間会社に出られなくてもすむことの方が不思議だ。そんなすごいショックを受けていないのかもしれないが、ショックを受けても会社には行くと思う。