テレビゲーム

「テレビゲームというのも面白そうですね」
「なさるのですか」
「いや、したことはありませんが、あれでいろいろ工夫がいるらしいですね」
「一人で遊んで面白いんですかね」
「うん。遊びは一人遊びが基本でしょうが、あれは一人遊びじゃないのでしょう」
「そうなんですか」
「ええ、今、日本全国でだいたい同じ時間に子供たちはあれをやるそうです。その様子を少し俯瞰すると、日本中の家々の屋根をはぐれば何十万人という数の子供が同じゲームをしているようです。あれはみなと遊んでるんですよ」

『いねむり先生』(伊集院静 集英社)p.117

いねむり先生 (集英社文庫)

いねむり先生 (集英社文庫)

有益な情報を抽出するプロセス

 有益な情報を抽出するためのプロセスは、コーヒー豆からコーヒーを作るのに似ている。まず、コーヒー豆を粉状にする作業(第一のプロセス)。次に、フィルターをかけ、お湯を注ぐ作業(第二のプロセス)。まったく異なる二つのプロセスを通す事によって、抽出されるものが有益な情報になるのではないかと考えている。
 どんな高級な豆でも、挽き方によって味は違ってしまうし、入れるお湯の温度によって異なる風味になる。その切り口が個性となって表れるのではないかと考えている。

『大局観』(羽生善治 角川oneテーマ21)p.119

大型旅客機

一九七〇年代のはじめ、大型旅客機ボーイング727は運行を開始したばかりで、それは今日われわれが知っているような家畜運搬車ではなかった。

『遥かなる航跡』(リシャール・コラス 集英社文庫)p.81

遥かなる航跡 (集英社文庫)

遥かなる航跡 (集英社文庫)

就業規則

会社の就業規則というのはだいたいが過失をしないように書かれているものが多いから、守るのが面倒臭い。だから最大限に拡大解釈することがうまくやっていくコツでもある。今は知らないが、かつてのソニー就業規則に”酒気を帯びて構内に入ってはならない”というのがあったが、構内を出てはいけないとは書いてないから職場で酒を飲んで帰ったことがある。立入禁止なら四つん這いならいいのかというような低次元の駄洒落的解釈だが、こんなことが意外に社内の活性化を生むのである。

『ビジネスマンのための「個性」育成術』(黒木康夫 生活人新書 NHK出版)p.24

満場一致を是とするのは不純

かつて盛田は満場一致で議決されるものぐらい不純なものはないと言った。誰もが反対しないものは決して常識の域を出ないものだし、それを是とする人の動機は不純であると考えていた。

『ビジネスマンのための「個性」育成術』(黒木康夫 生活人新書 NHK出版)p.28