『 1ミリの後悔もない、はずがない』一木けい
『1ミリの後悔もない、はずがない』を読む。
「椎名林檎絶賛」の広告を見て興味を持ったのだが、読んでなるほどと納得。椎名林檎の初期の作品に出てくる女の子たちーー例えば「歌舞伎町の女王」の女の子とかーーの人生はこんな感じだったのかもと思わせる話だった。(女の子の話だけではないが。) 5つの短編が収められているが、最初の話に出てきた登場人物たちが新たな主人公として登場する連作短編になっていた。 最後の話では最初の主人公のその後を知ることになり、最後にちょっとうるっときた。
『罪人の選択』貴志祐介
『崩壊学』
『崩壊学: 人類が直面している脅威の実態』を読む。
エネルギー問題、異常気象、金融危機、絶滅危惧種、様々な問題について書かれた警告の書。コロナ禍前の著作だが、疫病についても書かれている。 問題があることはわかっているけど緊急の課題ではないだろうと曖昧にしてきている問題がすぐそこまで来ていることを知らされて、かなり絶望的な気持ちになる。 10章の真実を語ると人は信じず、拒否する姿は昨今の新型コロナにも見られる。新型コロナにすら対応できていないことを思うと、コロナ禍を切り抜けても人類は「崩壊」を免れないだろうと思ってしまった。
パトリシア・ハイスミスの執筆前の習慣
ハイスミスはまた、執筆を始める前に強い酒を飲む習慣があった。ウィルソンによると、それは「元気を出すためではなく、躁状態といえるほど高まったエネルギーを抑制するため」だった。晩年には毎日、大量の酒を飲むようになっていたが、アルコールには強かった。ベッドの脇にウォッカのボトルを置いて、目が覚めるとすぐそれを手にとり、その日飲んでもいい分量の印をつける。ハイスミスはまた、生涯を通じてチェーン・スモーカーで、香りの強いフランスタバコのゴロワーズを一日に一箱吸った。食べ物には無頓着で、ある知人の記憶では、「食事はアメリカ製ベーコンと目玉焼きとシリアルだけで、時間も不規則だった」という。
『天才たちの日課-クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々-』メイソン・カリー 金原瑞人・石田文子訳 フィルムアート社 p.31
仕事をしたい人とすればいい
そんなある日のこと。前任者から引き継いだ執筆者に理不尽な怒られ方をして肩を落としていると、中原さんがいった。
「あなたが編集者なのだから、あなたが仕事をしたい人とすればいいのよ」
え、そうなのか、とびっくりした。雑誌はあくまでも編集者のもの。不愉快な相手と無理に仕事をすることはない。誇りを持って臨みなさい、ということだ。実際には無理を承知でやらなければならないときは多々あるが、あの日の私には必要な一言だった。書く側に立ったいまとなっては恐ろしい。書き手はほかにいくらでもいるということだから。
- 作者:最相 葉月
- 発売日: 2014/04/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)